露天風呂
画像はイメージです

 

露天風呂は混浴だった

 

僕は27際のサラリーマンです。

 

以前努めていた会社が倒産してしまったため、再就職先を探していたところ、ようやく採用してもらえることができました。

 

その会社では、総務課へ配属されました。

 

周りは女性社員ばかりで、男性は課長のオッサンだけです。

 

女性だらけの部署で正直ラッキーだと思っていました。

 

初めのころは…

 

それは、再就職してから、3ヶ月ほど経ったころのことでした。

 

同じ部署内のお局様(良子、37歳、独身)が、

 

「あ~あ、最近疲れたわ!今度の休みは温泉にでも行かない?美味しいもの食べてのんびりしようよ」

 

と言い出しました。

 

「いいですね!行きたい、行きたい!」

 

と他の取り巻き連中2人(美香、31歳、既婚、由香里、29歳、独身)が同調しました。

 

それは別にいいのですが、

 

「幸雄くん、一緒に連れて行ってあげるから予約とかお願いねぇ!頼んだわよ」

 

と、まさか僕まで誘われるとは思いませんでした。

 

誘われるというよりは、面相なことを僕に押し付けてきただけですけどね。

 

僕は反論することなく適当な旅館を予約し、いよいよ旅行当日になりました。

 

「幹事さん、荷物持って!こんな美人だらけの職場に来れて幸せよねぇ!はい、荷物お願い!皆も持ってもらえば?男なんだから大丈夫よねぇ!」

 

お局の良子は遠慮なく言ってきます。

 

ほとんど命令です。

 

確かに美人ではあるのですが、普段から僕のことを小馬鹿にした態度を取っています。

 

僕は荷物を持たされながら、やっとの思いで宿に着き、チェックインしました。

 

そしたら一息つく暇もなく、呼び出されてしまいました。

 

「ねぇ、疲れたからマッサージしてちょうだい!」

 

良子は言いました。

 

(疲れたのは俺の方だ)

 

と思いながらも、僕は仕方なく良子の肩を揉みました。

 

「変なとこ触らないでよ。あなたは、私達の幹事なんだから、言われたことを守るのよ。分かった?粗チン君」

 

取り巻きの美香や由香里もキャッキャッと笑います。

 

「えぇ~?良子さんいつ見たんですか?一人だけずる~い!本当に粗チンなの~?」

 

二人は笑いが止まりません。

 

「見るわけないじゃない!想像よ、想像。パッとしない男は粗チンが多いって言うじゃない?」

 

また私を小馬鹿にして遊ぶつもりだったのです。

 

確かに僕はパッとしないし、言い返す度胸もないので、ひたすら耐え、その場をやり過ごしました。

 

やっと解放された僕は、露天風呂に入りに行きました。

 

そこはなかなか立派な露天風呂で、他には誰もおらず、一人でゆっくり入って寛いでいました。

 

(しかし、あいつらはムカつく連中だな。いつか仕返ししてやりたいな)

 

などと考えていました。

 

すると脱衣所で何やら声が聞こえてきます。

 

明らかに女性の声です。

 

「良子さん、スタイルいいですね!腰がくびれてるぅ!」

 

(やっぱり!)

 

あの三人が入ってくるのです。

 

そう、この露天風呂は混浴だったんです。

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