
酔ったふりしてオジサマを誘惑
私って、二重人格みたいなんです。
連日の仕事のリフレッシュのため、温泉地や行楽地に一人で旅行するのが趣味です。
ただ、TELで予約しようとすると、どういうわけか、女一人では宿泊拒否されることがあります。ひどいですよね。
(まあ、いいけどね)
夜は、必ずというほど宿泊施設にある、バーやラウンジでおいしいアルコール(カクテルが多い)を頂くんです。しかも、旅館であれば、浴衣にノーブラが定番です。
シティーホテルであれば、胸の谷間をアピールできる格好です。そうすると大抵、男性が声を掛けてきてくれます。
「お一人ですか?」
「よろしければ、一緒に飲みませんか?」
とか会社では絶対見せないようなスマイルを見せながら一緒に飲みます。
ここからが、私の奥に眠る、もう一人の人格が登場します。
浴衣であったら、わざと足をチラ見させたり、前屈みになって、乳首が見えるくらいまで見せてノーブラだということを気づかせたりします。
いつも会社の飲み会では酔って記憶をなくすことはないほどお酒には強いんですけど、ここでは敢えて酔ったふりをするんです。
過去のとある連休の時も、見込み通り私より15歳ぐらい年上のオジサマが声をかけてきました。
「お姉さんお一人ですか?よければ、一緒に飲みません?」
私は、ニッコリ笑って軽く頷くと、オジサマは、私の隣に座ってきました。
このオジサマ、家族旅行で奥さんと小学3年生の息子さんとの3人で来ていて、奥さんと息子さんはもう部屋で寝たらしく、一人でバーに飲みにきたそうなんです。
カクテルを3杯程飲んだ頃、まだ酔ってはいないんですが、ちょっぴり眠くなってきたたので、酔ったフリをしてみました。
「もう遅いし、そろそろ部屋に戻りましょうか?」
とオジサマが言います。私は、眠そうな表情を作って頷くと、
「部屋は何処ですか?」
カードキーを見せると、オジサマは抱きかかえるような形で私の部屋まで付き添ってくれました。
無論のこと、飲み代は全てオジサマが奢ってくれました。
途中、エレベーターの中でオジサマは抱えるふりをしながら、私の胸に自然な感じで触れていました。
私は、オジサマに寄りかかったままです。
部屋に連れてきてもらうと、ゆっくり優しくベッドに寝かせてくれました。
「カードキーは机の上に置いとくね」
と言って、そのまま帰ろうとしたんです。本当に紳士です。しかし私は、
「オジサマ行かないで、私を抱いて!」
「えっ?!」
「オジサマ、私のタイプなんです。だから抱いて」
オジサマは無言のまま振り返り、私の上に覆いかぶさってきました。